肺炎球菌ワクチンは肺炎球菌による気管支炎・肺炎・敗血症などの重い合併症を予防する目的に使用します。
肺炎球菌ワクチンには、ニューモバックスNP・プレベナー20・バクニュバンスの3種類があります。
※2024年8月、プレベナー20が発売され、プレベナー13から切り替えとなりました。
そもそも肺炎球菌は90種類以上の血清型が存在します。すべての血清型を網羅するワクチンは存在せず、一番多くの血清型に効果のあるワクチンがニューモバックスであり、23種類の血清型に効果があります。また、この23種類の血清型のワクチンを使用することで、肺炎球菌感染症の4割程度を予防することができるとされています。
それぞれの肺炎球菌ワクチンの特徴について
23種類の肺炎球菌に効果を認め、約4割の感染症予防効果がある。定期接種となっており、65歳で接種することが推奨されています。実際にはこのワクチンの効果は、5年ほどで落ちると言われているため、5年おきの接種が勧められています。
20種類の肺炎球菌に効果を認めます。ニューモバックスとはタイプの違うワクチンであり、予防効果としては長年続くと考えられています。以前までプレベナー13は13種類の肺炎球菌に効果を認めていましたが、2024年8月より発売となったプレベナー20では、20種類の肺炎球菌に効果を認めます。このことから、定期接種であるニューモバックスNPとの兼ね合いをどのように考えるべきかは、やや複雑になっています。現時点(2024年9月)では、プレベナー20を一度打つことで多くの肺炎球菌に対して、長期間の効果が期待できると個人的には考えています。新発売されたワクチンであり、今後のデータ蓄積によって新たな見解が示されることでしょう。
15種類の肺炎球菌に効果を認めます。ニューモバックスとはタイプの違うワクチンであり、予防効果としては長年続くと考えられています。ただし、15種類の肺炎球菌のみの効果であり、ニューモバックスの接種をまず優先すべきと考えられます。また、ニューモバックスを接種後にバクニュバンスを接種することで、ブースター効果(ワクチンの効果が高まること)により、さらに2~3割の予防効果が増すと言われています。