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寺下勇祐 Blog

新【肺炎球菌ワクチン】!

肺炎球菌ワクチンに新しいタイプのものが2024年9月から使用できるようになりました。

詳しく知らない方もいるかと思いますので、簡単にですが肺炎球菌ワクチンについて、書きたいと思います。

(2024年9月6日に更新された『65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方』を参考としています。)

     

★そもそも肺炎球菌ワクチンは何を目的にしているのか?

小児や高齢者などにおける肺炎リスクを下げることを目的としています。

    

★肺炎球菌ワクチンを打てば、肺炎にならないのか?

肺炎の原因は肺炎球菌だけでなく、色々な菌やウイルスが関係しているため、肺炎がすべて防げるわけではありません。

しかし、肺炎の原因菌として、肺炎球菌が占める割合は大きいので肺炎球菌ワクチンを打つことで肺炎予防としての効果があります。

また肺炎球菌だけでも実は90種類以上のタイプに分かれています。そのため、肺炎球菌ワクチンではそのうちのメインとなる複数種類に効果がでるよう作られています。

      

★肺炎球菌ワクチンは、いくつ種類があるの?

肺炎球菌ワクチンは大きく分けて、2種類あります。『肺炎球菌漿膜ポリサッカライドワクチン』と『肺炎球菌結合型ワクチン』です。

難しいため、とても簡単に訳すると

『肺炎球菌漿膜ポリサッカライドワクチン』:効果は短いが多くの種類に効く (23種類の肺炎球菌に効果あり)

『肺炎球菌結合型ワクチン』:効果は長いが少ない種類にしか効かない (最初のワクチンは13種類の肺炎球菌に効果あり)

というものでした。

実は『肺炎球菌結合型ワクチン』が医学の進歩と共に新しくなっています。今回の新しいワクチンもこれに当たります。

     

★成人における肺炎球菌ワクチンの定期接種に関してどうなっているの?

以前は65歳を最初として、5年おき(70歳、75歳、80歳・・・・)に『肺炎球菌漿膜ポリサッカライドワクチン』の定期接種を行っていました。

しかし、残念なことに現在(2024年)は65歳ぴったしの時のみ、『肺炎球菌漿膜ポリサッカライドワクチン』の定期接種となっています。

また、『肺炎球菌結合型ワクチン』に関しては、定期接種でなく任意接種(希望者が自己負担で接種する)となっています。

      

★新しい肺炎球菌ワクチンとはなんなの?

少ない種類にしか効果があるよう作れなかったはずの『肺炎球菌結合型ワクチン』がついに20種類の肺炎球菌に効くタイプのワクチンとして開発されました。

とは言え、まだ新しいワクチンであるため、安全性には問題ないと言われてますが、臨床的にどれほどの効果があるかわかっていません。(ただし、免疫原性が上がることは証明されています。)

      

★定期や任意、ワクチンの種類だとかなんだか複雑で良く分からないが、どうすれば一番いいの?

こういう方も多いかと思いますので、端的に言えば、今回の新しいワクチンを1回打つだけで、長い期間、肺炎になるリスクを下げることが期待できると考えてください

      

最後はかなり雑なコメントになってしまいましたが、新しい肺炎球菌ワクチンの考え方について、相談したい方がいれば、当クリニックに受診していただければと思います。

新【肺炎球菌ワクチン】!